電子帳簿等保存制度の見直しに関して

令和5年度税制改正では「納税環境整備」として、電子帳簿保存法の電子取引制度に関する保存要件の緩和措置が図られる予定となっています。
税制改正における保存要件の変更点（予定）に関して、以下に記載致します。

１、令和5年度税制改正前の制度

真実性の確保（改ざん防止）※以下のいずれかを満たす
- タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
- 保存するデータにタイムスタンプを付与する
- データの授受と保存を、訂正削除履歴が残るシステムや、そもそも訂正削除ができないシステムで行う
- 不当な訂正削除防止に関する事務処理規定を制定し、遵守する
可視性の確保　※以下の全てを満たす
- モニター及び操作説明書等の備え付け
- 検索要件の充足

以下の条件を全て満たす形で検索要件を充足する事が必要になります。

条件①→取引等の「日付・金額・相手方」で検索ができる

条件②→「日付・金額」について範囲を指定して検索ができる

条件③→「日付・金額・相手方」を組み合わせて検索ができる

電子取引データ保存ついては、一定の要件のもと以下の方法でも可能

電子取引データ保存については、以下の全て満たす場合には検索要件自体を満たす事が不要

※ただし、令和5年12月31日までに行う電子取引については、特に事前申請等必要なく、保存すべきデータをプリントアウトして保存し、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば差し支えありません。（宥恕措置）

所轄税務署長が電子取引の保存要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由があると認め、かつ、電子データのダウンロードの求め及び電子データの出力書面（整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたもの）の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合

ポイントは以下になります。

以下に関して、検索要件は不要とされました。

前々事業年度の売上高が5,000万円以下で、電子データのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合
出力書面（整然とした形式及び明瞭な状態で出力され、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたもの）の提示又は電子データのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合

※今後の審議状況等によっては、記載内容に変更が生じる可能性がある事に御留意ください。

※コラム記載の内容は、あくまで個人的見解になります。

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