SaaS型ERPとは?他ERPとの違いを比較

ERP
公開日:2022.12.16
更新日:2022.12.16
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本記事のまとめ

  • SaaS型ERPとは、サービス提供者が設置したクラウド上のシステムに、ユーザー側が各自でアクセスして利用するERPのことを指す
  • 環境構築に必要な手間が少ないため、導入期間が短く導入負担が少なく済むことが多い
  • SaaS型ERPは、導入時の費用負担や運用の負担を抑えたい企業におすすめ
  • 中小企業で費用や業務負担を抑えながらSaaS型ERPを導入したい場合には「GRANDIT miraimil」の利用がおすすめ

本記事では、SaaS型ERPの概要や種類について解説しています。

SaaS型ERPはERPソフトウェアの種類の一つであり、今後も普及が進んでいくことが予想されているERPです。

そこで、概要に加えてSaaS型ERPが自社に適しているか判断できるよう、SaaS型ERPのメリット・デメリットや利用が適した企業についても解説していきます。

SaaS型ERPの導入を検討している場合は、ぜひ本記事をご参考ください。

目次

SaaS型ERPとは?基礎から解説

SaaS型ERPについて、以下の観点から解説していきます。

  • SaaS型ERPの概要
  • SaaS型ERPの普及率
  • SaaS型ERPの種類

それぞれの内容について見ていくことで、SaaS型ERPの基礎を把握できます。

SaaS型ERPの概要

SaaS型ERPの「SaaS」とは、提供者側が運営するサービスを、ユーザー側がネットワークを経由して利用するソフトウェア・提供形態のことを指します。

そのため、SaaS型ERPとは「サービス提供者が設置したクラウド上のシステムに、ユーザー側が各自でアクセスして利用するERP」を意味します。

SaaS(読みはサース または サーズ。Software as a Serviceの略語)は、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくはその提供形態のこと。

引用:Wikipedia

SaaS型ERPはクラウド上にシステムがあるため、インターネットにさえつながれば、端末・場所問わずアクセスできます。

導入する企業は自社サーバーやハードウェア・ソフトウェアなどの準備をする必要がありません。そのため、短期間かつ手軽に導入しやすいERPです。

SaaS型ERPの普及率

国内において、SaaS型ERPは拡大傾向にあります。

IT系調査・コンサルティング会社である「ITR」の2022年3月の市場調査によると、SaaS型ERP市場における2019年度の売上金額は338億円、2024年度の売上金額の見込みは990億円であり、2019~2024年度の間で3倍近くに拡大することが予測されています。

このようなデータを踏まえると、SaaS型ERPは今後も普及が進んで行くことが予想されるでしょう。

ERP市場規模推移および予測:提供形態別

出典:ITR Market View:ERP市場2022

普及が進む理由はさまざまです。例えば、全国で流行している感染症の影響で、リモートワークを推進する企業が増加している点が挙げられます。

Saas型ERPは自宅からでもアクセスできるため利便性が高く、現在の労働環境に適したERPと言えるでしょう。

また、旧来の紙を使った業務形態の改善を目指して、全国的に民間企業のDX化が進んでいることも、普及の要因の一つです。

加えて、国内の大手ERPベンダーがSaaS型ERPの販売を強化していることや、外資系ERPベンダーがSaaS型へ注力していることも、市場拡大の追い風になっています。

SaaS型ERPの種類

SaaS型ERPには主に、以下の2種類があります。

  • パブリッククラウド型
  • プライベートクラウド型

それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。

パブリッククラウド型

パブリッククラウド型とは「ベンダーが用意した他社と共同のクラウド環境を利用する形式のERP」のことを指します。

パブリッククラウド型を利用するメリットとして、導入に必要な初期費用を抑えやすく、予算を多く取りにくい中小企業でも比較的導入しやすい点が挙げられます。

また、システムのアップデートや保守管理をベンダーに一任しやすい点も利用しやすいポイントです。

プライベートクラウド型

プライベートクラウド型は「ベンダーが用意した自社専用のクラウド環境を利用する形式のERP」です。

他社とは異なるシステム環境を利用するため、クラウド型でありながらセキュリティ面の安心感を持って運用できます。

また、自社専用の環境となるためカスタマイズ性が高く、特有の業務がある場合でも適用しやすいこともメリットの一つと言えるでしょう。

SaaS型ERPを比較|オンプレミス型ERPとの違い

「SaaS型ERP」と比較されることが多いERPとして、「オンプレミス型ERP」があります。以下では、それぞれの違いを表にまとめました。

ERPの種類 SaaS型ERP オンプレミス型ERP
料金体系 月額課金制 従量課金制
サーバー クラウド環境 自社システム環境
メリット
  • 導入期間や手間がかかりにくい
  • 導入後の運用・保守の負担が少ない
  • サーバーへのアクセスがしやすい
  • 自社の特徴に合わせて機能をカスタマイズしやすい
  • ランニングコストを抑えやすい
デメリット
  • カスタマイズ性が低くなりやすい
  • ランニングコストがかかりやすい
  • 導入時の費用が高くなりやすい
  • 保守や運用に専門的な知識を持つ担当者が必要になる

SaaS型は、ベンダーが用意するクラウド上でERPを稼働させるのに対して、オンプレミス型は自社のサーバーでERPを稼働させます。

上記のようなメリットとデメリットがそれぞれあるため、自社のERP導入の目的や業務形態を整理した上で、よりマッチする形態の選択が必要です。

参考として、SaaS型ERPがおすすめの企業は「導入費用や工数をできる限り抑えたい企業」や「導入後の運用や保守に関する業務を一任したい企業」などです。

一方で、オンプレミス型ERPがおすすめの企業としては「ERPの保守・運用も内製化したい企業」や「業務が特殊で通常のERPパッケージでは対応しにくい企業」などが挙げられます。

SaaS型ERPのメリット

SaaS型ERPのメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 導入期間が短く導入負担が少なく済む
  • 導入後の運用・保守の負担を減らせる
  • ネット環境があればアクセスできる
  • 基幹システムの拡張・連携がしやすい

それぞれの点について詳しく見ていきましょう。

導入期間が短く導入負担が少なく済む

SaaS型ERPは、導入期間が短く導入負担が少なく済むことが多いです。

SaaS型ERPの導入時に求められるのは、基本的にインターネットの接続環境の準備のみで、システムの稼働に必要な環境構築はすべてベンダー側で対応してもらえます。

そのため、自社の負担を最小限にしながらERPを導入できます。

また、ある程度パッケージ化されたソフトウェアであるため、システムの設計や構築を一から行う必要がありません。

このようにSaaS型ERPは導入にかかる手間が少ないため、導入期間を短くできて、スピーディーに運用を開始しやすいです。

導入後の運用・保守の負担を減らせる

SaaS型ERPは、導入後の運用・保守の負担も減らせることが多いです。

導入後の運用・保守の負担もベンダー側に行ってもらえることが多く、企業側の負担を最小限にすることが可能です。

ERP運用・保守の具体的な作業例としては、以下の内容が挙げられます。

  • セキュリティ対策
  • ハードウェアの更新
  • ソフトウェアの更新

上記の作業はいずれも専門的な知見が必要になることが多いため、社内で実施しようとすると負担が大きくなりやすいと言えます。

ネット環境があればアクセスできる

SaaS型ERPのメリットとして、ネット環境があればアクセスできる点が挙げられます。

クラウド上でシステムを稼働させているため、特定のサーバーに依存することなく、ネット環境があればどこからでもERPを利用可能です。

一方でオンプレミス型ERPの場合、カスタマイズをしない限りは特定の端末からでないとアクセス不可になってしまいます。

SaaS型ERPではそのような不便がなく、状況に応じて利用する端末を自由に選択することが可能です。そのため、出張先で仕事をする際やテレワークの際に便利と言えるでしょう。

基幹システムの拡張・連携がしやすい

SaaS型ERPは、基幹システムの拡張・連携を行いやすいです。

具体的には、各部署の状況に応じたSaaS型ERPパッケージを選んだ場合でも、オンライン上で容易に連携できます。

遠隔地の支社や子会社ともアクセスしやすく、リアルタイムで情報統合を行うことも可能です。新しい子会社に同一のERPを適用する際も連携を行いやすいでしょう。

オンプレミス型ERPの場合、既存システムの再構築やインフラ整備が必要となり手間がかかりやすいですが、SaaS型ERPでは最小限の手間でERPの構築ができます。

なお、一部SaaS型ERPでは、海外の言語に対応した別のERPの設置・連携をスムーズに実施できるなど、アクセシビリティに富んでいるものもあります。

SaaS型ERPのデメリット

SaaS型ERPのメリットとして、以下の内容が挙げられます。

  • カスタマイズ性は低め
  • 長期的な維持費がかかりやすい

それぞれの点を詳しく見ていきましょう。

カスタマイズ性は低め

SaaS型ERPは一般的に、カスタマイズ性が低めであることが多いです。

SaaS型ERPは機能がある程度定型化されており、企業の特徴に合わせたカスタマイズを行いにくい傾向があります。

その結果、自社の基幹業務の形態に合ったERPパッケージを探す手間が多くなりやすいでしょう。

ERPパッケージによってはアドオン開発で機能を追加できる場合もありますが、システムの大きな変更はシステム全体のエラーやバグの原因になり得ます。

そのため、実際には実装したい機能を追加できない場合も多いのが実状です。

カスタマイズ性に関する問題点を解決したい場合は、自社の業務形態や内容とFit率が高い製品を利用することをおすすめします。

長期的な維持費がかかりやすい

SaaS型ERPは長期的な維持費がかかりやすいです。

SaaS型ERPの料金体系は月額課金制であることが多く、使用料を定期的に払い続ける必要があります。その結果、中長期的に多くのランニングコストが発生してしまいます。

使用するシステムや期間によっては、オンプレミス型の導入費用をSaaS型ERPのランニングコストが上回ってしまう場合もあります。

そのため、使用期間や将来的な費用負担を踏まえて、どのようなERPを導入すべきか検討することが必要です。

SaaS型ERPが合う企業とは

SaaS型ERPが合う企業として、以下のような企業が挙げられます。

  • 導入時の費用負担を抑えたい企業
  • ERPの運用や保守管理の手間を最小限にしたい企業
  • 社外からシステムにアクセスする機会が多い企業
  • 自社でERPの要件定義や企画を行うことが困難な企業

SaaS型ERPは、自社でサーバーの環境を整えたりシステムを一から設計したりする必要がないため、イニシャルコストを抑えやすいです。

また、ベンダー側にシステムの運用・保守管理をしてもらえるケースが多く、社内における運用負担の軽減につなげやすいと言えます。

場所・端末問わずネット環境があればシステムにアクセスできるため、営業や出張・テレワークなどで社外からシステムにアクセスする必要がある企業には利便性が高いでしょう。

さらに、SaaS型ERPはすでに他企業で効率化が実証されたシステムを搭載しているため、業務の効率化を行いやすい点も魅力の一つです。

とはいえSaaS型ERPは比較的新しいシステムであるがゆえに、トラブル発生時やセキュリティ面に不安を感じることも少なくないでしょう。その場合は、SaaS型ERP製品を取り扱う企業に一度相談してみることで解消できます。

「GRANDIT miraimil」では、導入に際しての疑問や不安に関して、無料の資料提供やメールでの問い合わせを受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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中小企業向け|おすすめのSaaS型ERPを紹介

中小企業におすすめのSaaS型ERPとして、「GRANDIT miraimil」があります。

GRANDIT miraimilの強み・特徴

  • 中小企業に必要な11種類の基幹業務を標準で搭載している
  • 日本企業向けに最適化されたERPを提供している
  • 専門のエンジニアに丁寧にサポートを提供している

「GRANDIT miraimil」は「GRANDIT株式会社」が提供するERPパッケージです。中小企業向けに特化したサービスで、便利さと手軽さを持ち合わせたERPパッケージを提供しています。

「GRANDIT miraimil」では、中小企業に必要となることが多い、11種の基幹業務を標準で搭載しています。

さまざまな業務に対してFit率が高いことから設計の手間が少なくて済み、短期間で導入を完了しやすいです。また、業務に合わせて機能の仕立て直しも行っています。

日本の商習慣に最適になるよう設計されたクラウド型ERPであり、システムの細かな変更が不要なため、イニシャルコストを抑えながらERPを導入しやすいです。

さらに、トラブル発生時には、ERPに精通したプロのエンジニアによる手厚く迅速なサポートを行っています。社内に知識のある担当者がいない場合でも安心感を持って利用できるERPです。

GRANDIT miraimilは「手間や費用を抑えながら早急にERPを導入したい中小企業」や「トラブル対策を意識しており、ベンダーの手厚いサポートを重視したい中小企業」などにおすすめです。

GRANDIT miraimilの導入・運用コストや機能の詳細について知りたい場合は、以下よりご相談・資料をご請求ください。

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SaaS型ERPに関するよくある質問

SaaS型ERPに関するよくある質問として、以下が質問が挙げられます。

  • SaaS型ERPとPaaS型ERPとの違いは何?
  • SaaS型ERPとIaaS型ERPの違いは何?
  • SaaS型ERPで対応できる基幹システム一覧は何?

それぞれの質問の回答を詳しく見ていきましょう。

SaaS型ERPとPaaS型ERPとの違いは何?

SaaS型ERPは、ハードウェアやミドルウェアに加え、ソフトウェアまでをサービスとして利用可能です。

それに対して、PaaS型ERPはハードウェアやミドルウェアだけをベンダー側から借り、ソフトウェアに関しては自社のものを利用する形式を指します。

そのため、PaaS型ERPはオンプレミス型ERPとSaaS型ERPのハイブリッドに近い型と言えるでしょう。

SaaS型ERPと比較した際のPaaS型ERPのメリット・デメリットを下表にまとめました。

PaaS型のメリット PaaS型のデメリット
  • 自社の特徴に合ったERPを開発しやすい
  • IT環境のみに拡張性や柔軟性を持たせることができる
  • SaaS型ERPと比較すると導入に必要な費用と手間がかかりやすい

PaaS型ERPは「システム稼働に必要なプラットフォームのみを借り、システム自体は自社で設計したい企業」や「オンプレミス型ERPとSaaS型ERPのそれぞれの特徴を活かしてERPを構築したい企業」などにおすすめです。

SaaS型ERPとIaaS型ERPの違いは何?

SaaS型ERPはハードウェアやミドルウェアに加え、ソフトウェアまでを利用できるサービスであるのに対し、IaaS型ERPはハードウェアのみを利用するサービスです。

SaaS型ERPと比較した際のIaaS型ERPのメリット・デメリットを下表にまとめました。

IaaS型のメリット IaaS型のデメリット
  • さまざまな業務にシステムをFitさせやすい
  • CPUやメモリを増設しやすい
  • 導入までの工数がかかりやすい
  • システム構築や運用に関して専門的な知識を持った担当者が必要

IaaS型ERPは「自社業務に最適化したERPを構築し、後の拡張性も考慮しておきたい企業」におすすめです。

SaaS型ERPで対応できる基幹業務一覧は何?

SaaS型ERPで対応できる基幹業務を「GRANDIT miraimil」を例にご紹介します。

具体的には、以下の業務内容に対応しています。

  • 販売管理
  • 在庫管理
  • 継続契約管理
  • プロジェクト原価管理
  • 経理管理
  • 債権管理
  • 債務管理
  • 経費管理
  • 資産管理
  • 人事管理
  • 給与管理

「GRANDIT miraimil」では、一般的に必要になることが多い主要な基幹業務を押さえているため、スピーディーなERPの導入が可能です。

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