インボイス制度の解説④

会計・経理 税制
公開日:2022.12.13
更新日:2022.12.13
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インボイス制度の解説コラム①では、「インボイス制度」の全体像につき、解説しました。今回は前回に引き続き、具体的に解説したいと思います。主にポイントの④について、解説したいと思います。(今回はあくまで買手の話です)

参考 <インボイス制度の解説コラム①より抜粋>

  1. 「税務署長に申請して登録を受けた」
  2. 「課税事業者である」
  3. 「インボイス発行事業者が交付するインボイス」
  4. 「保存が消費税の仕入税額控除の要件」→今回はここを掘り下げます。

インボイス発行事業者となる買手は「1、請求書等保存要件」と「2、帳簿記載要件」を満たす必要があります。
以下、目次になります。順を追って、解説します。

目次

1、請求書保存要件

仕入税額控除を受けるために、インボイスの保存が必要になります。
仮に、インボイスが無い場合、買手は売手に対しインボイス発行を求めます。
パターンとしては以下になります。

  1. 売手から正確なインボイスを受領
    →インボイスを保存し、仕入税額控除可能
  2. 売手から受領したインボイスに記載漏れや誤りがある
    →再度、売手に対し正確な修正インボイスの交付を求める(買手側での修正不可)
  3. 売手からインボイスが受領できない
    →仕入税額控除不可※

※ただし、買手が仕入明細書を作成し、売手の確認を受けて保存すべきインボイスとする方法は可能

2-1、帳簿記載要件

帳簿には以下の内容を記載する必要があります。

全取引必須

  1. 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
    ※請求書等を交付することが困難な一定の取引(旅客運輸等)では帳簿記載省略可
  2. 課税仕入れを行った年月日
  3. 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
    ※軽減対象資産の取引の場合はその旨も記載
  4. 課税仕入れに係る支払対価の額

取引に応じて、記載必要

  1. 免税事業者等からの仕入に係る経過措置対象である
  2. 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる仕入に該当する旨(2-2参照)
  3. 取引の相手方の住所又は所在地

会計ソフトの入力イメージは以下になります。

会計ソフト入力画面のイメージ

2-2、帳簿のみで仕入税額控除できる取引

1の請求書保存要件に関わらず、帳簿記載のみで仕入税額控除できる取引があります。
ただし、帳簿記載のみで仕入税額控除できる取引は限定されており、その取引である旨を帳簿に記載する必要があります。

帳簿記載のみで、仕入税額控除できる取引は以下になります。

  1. インボイス交付義務が免除される取引のうち以下の取引
    • 公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限る。)
    • 自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る。)
    • 郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る。)
  2. 簡易インボイスの記載事項 (取引年月日を除く)が記載された入場券等が、使用の際に回収される取引
  3. 古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む買手がインボイス発行事業者でない者から、古物、質物又は建物を買手の棚卸資産として取得する取引
  4. インボイス発行事業者でない者から再生資源又は再生部品を買手の棚卸資産として購入する取引
  5. 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入れ

様々な特集や解説が行われていますが、国税庁の「インボイス制度特設サイト」が公式であり、お勧めとなります。是非ご確認ください。

特集 インボイス制度 (nta.go.jp)

※コラム記載の内容は、あくまで個人的見解になります。

以上

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