2021年7月6日、GRANDIT株式会社の新サービス、業界初となる中小企業向け国産統合型クラウドERP「GRANDIT miraimil」の発表会が開催され、約20のメディアが参加しました。ここでは、その革新的なサービスの特長と導入企業が得られるメリットについて紹介した発表会当日の模様をレポートします。
1.ご挨拶、新サービスのビジョン・事業目標
GRANDIT株式会社 代表取締役社長 石倉 努
挨拶にあたり、GRANDIT株式会社の石倉社長は純国産ERP「GRANDIT」について紹介。「GRANDIT」は2020年7月現在、1,200社超が導入。複数の国内IT企業がその叡智やノウハウを持ち寄るコンソーシアム方式を採用し、ユーザーの要望や市場ニーズを吸い上げ、日本の商習慣と変化にあわせて常にアップデートが行われている点を強調しました。
次に、新サービス開発の背景についてです。現在、日本の中小企業は「“2025年の崖”問題」「企業規模によるDX格差」「IT人材不足」の3つの課題を抱えており、これら課題を抱えた中小企業の成長をGRANDIT株式会社が培ってきたノウハウで支援したい、という思いが開発の背景であると語りました。
新サービスの名称は『GRANDIT miraimil』。これには、「未来の飛躍をサポートする、未来を見通すツール」という意味が込められていると言います。
なお、2024年(3年目)に200社、2026年(5年目)に500社への導入を目標として掲げ、2021年10月の提供開始を予定していると述べました。
2.サービス説明・デモンストレーション
GRANDIT株式会社 事業統括本部 副本部長 多田 修子
新サービス「GRANDIT miraimil」の特長について、事業統括本部 副本部長の多田がデモンストレーションを交えて説明しました。
まず、「GRANDIT miraimil」の特長として、次の3つを挙げました。
①中小企業向けの統合ERPである
②スピード導入と、導入コストの大幅削減が可能
③IT担当者の業務負荷軽減を実現
まず①について、主要な10種類の基幹業務機能から必要な機能を組み合わせて統合利用できる点をアピールしました。②については、最短で3ヵ月というスピード導入が可能であることと、従来のオンプレミス型のGRANDITと比較して平均80%の導入コスト削減が可能であることを説明。③については、GRANDIT株式会社のスタッフが窓口となり、ワンストップでサービスを提供するため、ハードウェア・ソフトウェアの両面でシステムの運用・保守が不要となることを強調しました。
次に、実際の画面を操作しながらのデモンストレーションです。
メニュー画面では、基本メニューの説明と、ワークフロー機能へスムーズに遷移できることを紹介。入力画面では、項目間移動や項目選択の利便性の高さなどを強調。入力内容を一覧画面から呼び出せる検索性の高さについても紹介しました。入力内容の内、決算情報に関連するものは経理モジュールに自動的に連携する点についても解説を行い、BI機能(ビジネスインテリジェンス機能)では、定型的な経営分析レポートに加え、ユーザーが自ら選択して自由にレポート表示できる機能もあるなど、機能性と柔軟性の高さをアピールしました。
「GRANDIT miraimil」は、業種別のサービス展開が予定されており、サービス開始時は「商社・卸売業向け」と「サービス業向け」が提供されます。
「商社・卸売業向け」の特長としては、商社特有の取引業務に対応している点、国内・海外の取引先に応じた、多通貨取引に対応している点、個別在庫管理に対応している点を挙げました。
「サービス業向け」の特長としては、物販・役務販売のパラメータ制御が可能な点、期間契約業務における継続取引管理に対応している点、台帳管理の電子化・一元化が可能な点を挙げました。
そのほか、オプションとして、帳簿電子化・web請求書サービス「eco Deliver Express」との連携で、ペーパーレス化を実現できること、高セキュアなMicrosoft Azure占有サーバを2拠点バックアップ体制で利用することで、IT-BCPを実現することなどが語られました。
なお、「GRANDIT miraimil」は、導入前に最大3カ月間の無料トライアルが可能となっており、導入しやすいサービスであることも強調しました。
3.協力企業ご挨拶
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 Azureビジネス本部 本部長 上原 正太郎 氏
「GRANDIT miraimil」のサービス基盤であるMicrosoft Azure(以下、Azure)を展開するMicrosoftより、日本マイクロソフト株式会社のAzureビジネス本部長である上原氏からご挨拶がありました。
上原氏は、まずMicrosoftのミッションを語った上で、COVID-19により中堅中小企業のクラウドシフトは22%向上したものの、データやデジタル技術を活用しビジネス全般を変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)はまだまだ進んでいないという認識を示しました。
今回のAzureによる「GRANDIT miraimil」のサービス基盤提供は、Microsoftが中堅中小企業のDX推進に向けて注力している3つの分野の内の一つ、「ビジネスプロセスのデジタル化支援」にあたると言います。その上で、クラウド時代の土台であるAzureに求められるのは、
- どこからでもアクセスできるリモート環境
- コストの最適化と効率化
- シームレスなハイブリッド機能によるイノベーションの創出
- セキュアなワークロードの実装
であると述べました。
次に上原氏は、Azure Active Directoryを活用したセキュリティイメージを解説。クラウドだからこそ抑えなければならないセキュリティのポイントについて説明しました。
さらに、Microsoftで提唱する「Digital Feedback Loop」に触れながら、統合型ERPの進化によって、会計・人事・生産・物流・販売のフローのDXをサポートしていくという「GRANDIT miraimil」とAzureが描くビジョンについても語りました。中堅中小企業のデータ駆動型組織の支援にあたっては、スピード導入、俊敏性向上、コスト構造最適化、安心サポート実績などを実現し、安心して利用できるサービスを提供していくことがポイントになると言います。
そして、Microsoftとして、中堅中小企業向けのクラウドビジネスにおいて、5年で10倍の成長を目指し、GRANDITおよび「GRANDIT miraimil」と共に、業種に特化したDXの推進に貢献していくと語りました。
4.質疑応答・フォトセッション
発表会の終盤には、質疑応答とフォトセッションが行われました。
質疑応答では、発表会場に参加しているメディアおよびオンラインで参加しているメディアからも発表会場の3人に向けて質問を受け付け、競合サービスと比較した優位性や、販売戦略、将来展望などを問う鋭い質問に対して、丁寧に回答。サービスへの理解促進と機能やサービスを拡充させながら、中小企業の未来への飛躍をサポートすることを強調しました。
最後に、コロナ禍であることに配慮し、ソーシャルディスタンスを保って3人がバックボード前に立ち、フォトセッションを開催。新サービス「GRANDIT miraimil」の発表会を締めくくりました。