非関税障壁（Non-tariff barriers）は、貿易における関税以外の障壁や制約を指します。これらの障壁は、輸入や輸出の自由な流れを妨げ、貿易の平等性や競争力に影響を与える場合があります。
非関税障壁は多岐にわたり、以下のような形態を取ることがあります。
1） 輸入許可制度（Import licensing）
特定の商品やサービスを輸入するためには、政府の許可が必要な制度。許可の手続きや基準によって輸入が制限されることがあります。
2） 品質規格や規制（Quality standards and regulations）
国や地域の法律や基準に基づく製品の品質や安全性に関する要件。これらの要件が異なる場合、外国からの製品が市場に参入する際に適合する必要があります。
3） 検査や認証（Inspections and certifications）
輸入される製品やサービスが一定の基準を満たしていることを確認するための検査や認証手続き。これには追加の費用や時間がかかる場合があります。
4） 貿易制限措置（Trade restriction measures）
特定の商品や国からの輸入を制限するための措置。例えば、輸入割当制度や輸入禁止などがあります。
5） 貿易防衛措置（Trade defense measures）
不公正な貿易行為に対抗するための措置。代表的なものには、反ダンピング関税や反補助金関税、保護的な関税などがあります。
これらの非関税障壁は、保護主義の動きや市場へのアクセスを制限するために一部の国や地域で利用されることがあります。国際貿易の自由化と公平性を目指す場合、非関税障壁の削減や調整が重要な課題となります。