米連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee, FOMC)は、アメリカ合衆国連邦準備制度(Federal Reserve System)の最も重要な組織の一つです。FOMCは、アメリカの金融政策を決定し、金融市場の安定と経済の成長を促進するための重要な役割を果たしています。
FOMCは、連邦準備制度の12の地区銀行の総裁と、連邦準備制度理事会の7人の理事で構成されています。連邦準備制度理事会の議長がFOMCの議長も兼任しており、現在(2021年9月時点)はジェローム・パウエル連邦準備制度理事会議長がFOMC議長を務めています。
FOMCは、主に金融政策の決定と実施に関与しています。その中心的な責任は、金利水準の決定と、市場への資金供給量を調整することです。具体的には、FOMCは連邦準備制度の主要な金融政策手段である連邦基金目標金利を決定し、オープンマーケット操作を通じて金融市場への資金供給を調節します。
FOMCは通常、年に8回の定例会合を開催しており、会合後には公開声明(FOMCステートメント)が発表されます。この声明では、現在の経済状況と見通しに基づいて、金融政策の方向性や将来の政策変更に関する情報が提供されます。また、重要な政策決定の際には、記者会見が開かれ、議長が金融政策の背景や理由について説明します。
FOMCの活動と決定は、世界中の金融市場に大きな影響を与えることがあります。市場参加者や経済アナリストは、FOMCの声明や会合での議論を注意深く監視し、金融政策の変化や金利の動向に関する手がかりを得ようとします。